授業で紹介した本

授業で紹介したもの+1を再録します。
また,それだけだとつまらないので,+αとして情報を付け加えます。

ポアンカレ,科学と方法,岩波文庫,1953年
ポアンカレは,20世紀初頭の大数学者。
トポロジーと呼ばれる分野を開拓した人でもある。
この本は,数学の発見の際の心理状態などを詳しく書いた初めての本。
もちろんテーマは別のところにあるが,おもしろい。

岡潔,春宵十話,光文社文庫,2006年
岡潔は多変数関数論と呼ばれる分野の礎を築いた人。
ポアンカレの書いた「数学の発見の心理」を,
自分の経験をもとに別の角度から検討している。
授業では紹介しなかった本を1冊示しておこう。

アダマール,数学における発明の心理,みすず書房,2002年
ポアンカレの本に触発されて,いろいろな研究者の経験を分析したもの。
アダマール自身も数学者である。
ここからが+α。

ここに紹介した3人はいずれも偉大な数学者。
ポアンカレは「科学と方法」以外にも,「科学と価値」,「科学と仮説」 といった本も書いている。
(タイトルから中身を想像してみよう!)
岡先生は,エッセイでよく知られている。その多くは絶版になっているが,
全部とは言わないが,いくつか読んでみるといいだろう。
図書館に何冊かあるようだ。「春宵十話」も読める。

アダマールの本は系統だってはいない。
なので,この本だけでは何がなんだかわからないかもしれない。
しかしこれがきっかけとなって,こういったことを詳細に研究する心理学の分野も現れた。
「数学,認知」といったキーワードで検索してみてほしい。
当然,数学教育と深い関わり合いがある。

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