このたびご縁がありまして,年明けの1月,東京で講習会をやらせていただくことになったことを先の記事でお知らせしました。(講座の詳細についてはの一番下にあるリンクをクリックしてご覧ください。) 「六手太極功」についてはこれまでにも何回か書いていますが,今回はその特徴についてあらためて紹介していきます。
気功の要素と太極拳の基本を含んだ6つの動作からできている「六手太極功」は次のような特徴を持っています。
- 簡単で初心者に最適 太極拳は一番短いものでも10個の動作を含んでおり, 初心者にはハードルが高く感じられるようです。 「六手太極功」はその名の通り6つの動作からなり,徐々にその動きの難度が上がっていくように構成されています。 また,6つの動作をすべて練習する必要もなく,気に入った動作だけを選んでそれだけを練習しても高い効果が得られます(私は第1手が好きで,時間のないときなどはこれだけをすることが多いです)。
- 場所,年齢,体質を問わない 中国武術には「拳打臥牛之地」(牛が寝そべるほどのスペースで拳を練る)という言葉があります。 「六手太極功」は畳2枚=一坪ほどの広さがあれば練習できます(なので私は秘かに「一坪太極拳」と呼んでいます)。 「六手太極功」には片足立ちになる動作が含まれていますが,高くあげる必要はなく,練習する各人の体の状況や年齢,体質に応じて動作の方法や難度を変えて行っても充分な効果があります。 また,「六手太極功」には立式と坐式の2つがあり,立って練習することも,椅子や床に座って練習することもできます。
- 松,柔,円,緩を強調するムリのない運動 「松,柔,円,緩」は太極拳で要求される要素ですが,「六手太極功」でもこれらを実現するように練習していきます。「松」とはリラックス,「柔」は柔らかい動作,「円」は全身角のない円の形(これによってリラックスが進み,気血の流れがスムースになります),「緩」は緩やかなゆったりした動作,という意味です。 これらの動作の実現することを練習の目標とすることで,全身の協調とバランスが整えられていき,結果として健康になっていきます。
- 意を以て気を導き,「形」と「神」を共に養う運動 これは説明しようとするとかなり長くなるので,「意が通れば気も通る,気が通れば血が廻る,血が巡れば病気にならない」という中医学のことばだけを引用しておきます。 「六手太極功」を長年練習することで詳しい理屈を知らなくてもこれが自然に起きていきます。
- 「経絡」を疎通させる運動 こちらも「任督通じれば百脈通ず」という中医学のことばを引用するにとどめます。 「六手太極功」にはたくさんある経絡の中で最も重要な「任脈」と「督脈」の2つの経絡の疎通を促す動作が含まれており,これも理屈を知らなくても長期に渡る練習によって実現するように造られています。
気功の方法はそれこそ星の数ほどありますが,「六手太極功」は気功の要素と太極拳の基本を含んだ体系になっているのが特徴です。
参考:曾乃梁,衛香蓮著,「六手太極功入門」
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