いつから興味を持ったのか,記憶が定かではない。
物理の本をよんでいて,標準理論がゲージ理論で記述されている,
と書かれていたのが今ある一番の記憶。
また,何かのきっかけで相対論もゲージ理論で記述できる,
ということも知った。
一方,数学にもゲージ理論と呼ばれる微分幾何の一分野があることは
かなり前から知っていた。
その2つが同じものであることを知り,
昨年6月に手に入れた相対論関係のある本を読み始めたが,
予備知識が色々と足りないことを思いしり,
ぼつぼつと揃えていた。
しかしなかなか集中できず,
準備ははかどらなかった。
そんな自分に苛立ち,本腰を入れはじめたのは11月だったか。
とにかくひとまず読みきろう,と決めた。
しかし前と同じようなところで行き詰まる。
んで,今度こそ足りないところをはっきり見極め,
まず電磁気学の教科書を読んだ。
アメリカの大学院生向けの本だったので,
1度電磁気学を勉強している読者が対象だったが,
電磁気学が\(U(1)\)ゲージ理論である,という記述が目に入ったので,
読むことにした。
現代的な記述で微分形式を用いてMaxwellの方程式を書き下すなど,
大学時代に勉強した(はず)の電磁気学がものすごく新鮮に感じたし,面白かった。
上に書いた通り電磁気学が\(U(1)\)ゲージ理論であることの説明もあり,
後につながる楽しみが増えた。
「これくらいでよかろう」と判断し,全部は読まなかった。
で,件の相対論の本に戻ったのだが,
改めて読んでみると,やはり一度相対論を勉強していることが前提になっているように感じた。
もちろんまえがきには,予備知識はいらない,といった感じのことが書かれていた。
一応読み終わった今,見なおしてみると,確かにそのとおりではあるように見える。
しかし,完全な初心者にはちょっとむずかしい感じがした。
読んでいる最中にはそんなことはわからなかったので,
こちらも大学院生向けの相対論の教科書を読むことにした。
一般相対論の本なので,はじめはやはり微分幾何学からはじまる。
私が読んだ本はそのあたりのことも初心者向けで,
一応数学を勉強したものとしては知っていることがほとんどだったが,
いろいろな定理の物理的な意味合いなどを知ることができ,これも面白かった。
こちらも結局最後まで読まなかったが,
一区切り,としたのが昨年末27日だった。
で,元の本に戻り,
数式の変形もほとんどすっ飛ばしてではあったが,
とにかく何が書かれているかを知るために
暮れの28日から大晦日と正月2日をかけて集中的に読んだ。
なぜこの本を読みたかったのか,
手に入れたとき,まえがきを読んだ時には正直よくわからなかった。
しかしざっとではあるが読み終わった今,なんとなくわかるような気がする。
面白いテーマだった。
読んでいた本は結局入門書というより,著者の研究結果をまとめた研究書だった。
昨日は先行研究に当たる論文をいくつかダウンロードして眺めてみた。
やはり面白いテーマであることが確認できたし,
数学の側から掘り下げるのは意味のあることのように感じている。
ゲージ理論からはちょっと離れているのだが,
しばらくこの土地で過ごすことにした。