Justin Dressel, Konstantin Y. Bliokh, Franco Nori, Spacetime algebra as a powerful tool for electromagnetism, Physics Reports, 589(2015), 1-72(arXiv:1411.5002)

久々の投稿。

昨年5月に Hestenes の Space-Time Algebra を読み始めたが,その後完読には至っていない。
しかし,これがきっかけになって Geometric Algebra の勉強を断続的に続けている。
その中で出会ったのが表題の論文。
先週からようやく夏休み。

今日はお盆の中日で,頭の方も授業などの仕事から解放されてきて,数学の論文に戻る気持ちが強くなってきた。

この論文はすでに出版されているが,雑誌に掲載されている版はレイアウトが悪く,たいへん読みにくい。
幸いにして数学や物理学の論文のプレプリントが集まっているアーカイブサイト arXiv.org にあったのでそこからダウンロードして読んでる。

タイトルからわかるように電磁気学に Spacetime algebra を使おう,というもの。
なので論文というより講義録に近い。
前半は Geometric Algebra を4次元の Minkowski 計量で扱う。
これを特に Space-Time Algebra(以下 STA と書く) という。
これは Hestenese の本の扱いと同じ。
で,Hestenes の本はその取っ掛かりのような内容なので,電磁気学は扱われているものの,それほど徹底したものではない。
それに対してこの論文は電磁気学を STA の視点から徹底的に書きなおそう,というもの。

この1年近く,この論文に挑んできたが,中々先に進めない。
もちろん読みなおすたびに理解できるところは増えてはいる。
そして今日,何度目かの挑戦を始めた。

もちろんこの1年,何もしなかったわけではない。
関連する様々なこと,電磁気学や量子力学,場の量子論など,ボツボツと勉強していた。
その効果もあってか,今回は比較的スラスラと読み進めている。

1. Introduction はなぜ STA を用いて電磁気学を記述するのか,その動機が書かれいてる。
2. A brief history of electromagnetic formalisms では,タイトルの通り電磁気学の簡単な歴史が述べられている。
重要なのは Riemann-Silberstein の式
\[
\vec{F}=[\vec{E}/c+\vec{B}i]/\sqrt{\mu_0}
\]
である。

初期のとき,Minkowski 計量を扱う際に,この式のように虚数単位 \(i\) がよく使われた。
しかしその使われ方は ad hoc だったという。

その不自然さが STA を用いることで解消され,さらに色々と独立して扱われていたものが統合できるという。
それを示そうというのがこの論文。

3. Spacetime algebra から本論。
で,今日はここまでを読み終えた。量にして半分弱。

以前はこの章の途中で沈没していたのだが,今回はかなり腰を据えてじっくり取り組んだこともあって,なんとか乗り越えることができてきた。

次の章は Spacetime calculus でベクトル解析に相当する。
ここまでが準備で5章からが本論。

さて,この夏休み中にどこまで読み進めることができるやら。

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